サンジョゼフ校の生徒さんより対話会の感想が届きました!

先日、東京学芸大学で、学校、年齢、国を超えた対話会が行われました。

ご参加下さったサンジョゼフ校日本セクションの生徒さんでいらっしゃいますTakumiさんから感想が届きましたので、ぜひお読みください!

****************************************

日本人の両親のもとフランスに生まれ、僕はずっとフランスの教育を受けてきました。純粋な日本人でありながら、家から一歩外へ出たらフランス人と対等にやっていかねばならない環境の中で、驚き、発見、感動、苛立ち、疑問といった様々な感情を日々感じながら生活しています。

 対話会に参加したいと思ったきっかけは、小学生の頃に経験した日本の公立小学校の体験入学でした。僕にとっては生まれて初めての日本の学校、初めての文化交流の場でしたが、初めてを「受け入れる」ことが精一杯で、年齢的にも自分から「発信する」ことが殆どできなかったからです。

 フランスの中学校や高校では、他人の考えに耳を傾けながら自らの意見を持ち、それを言葉にして説明することが度々求められます。正解というよりいかに皆に共感してもらえるか?皆を納得させられるか?です。普段、僕たちは限られた「集団」の中にいます。僕は、その限られた集団の中で意見交換をすることは慣れていましたが、集団の外へ踏み出すには勇気も必要でした。今回、異なる学校、国、文化、年齢の人たちと対話するのは正直ドキドキしました。

 対話は学校のwell-being「学校が家だったら」をテーマに、まず2つのグループに分かれてアイデアを出し合い、最後に全体で意見交換をしました。学校が家のように快適でルールが緩かったらというイメージで、多くの面白いアイデアが出ました。

 僕にとっては、早起きは辛いし勉強や試験ばかりで疲れるけれど、行けば友だちに会えるし良くも悪くも毎日刺激的で家にはない魅力があり、学校はものすごく楽しい場所です。それに、ルールがなければもっと自由で楽だとも思っていません。それはルールに納得しているし、時にそのルールをも楽しんでいるからだと思います。校則や決まりごとに不満を抱いている人は多いと思いますが、不満だらけで1日の長い時間を人生の一定期間を学校で過ごすのは本当にもったいない。学校が決めたことを一方的に受け入れるのではなく、自分たち生徒が自分たちのための学校作りを意識することが大切だと思います。皆でアイデアや意見を出し合い、尊重し合い、その上で納得できたら、みんなが行きたくなるような学校になると思います。

 今回の対話会は、自分の経験や考えを発信できるきっかけとなりましたし、自由に意見交換ができる貴重な機会でした。また、夏休みの日本滞在中に対面で参加できたことも嬉しかったです。

 最後に、対話会に参加してみて、この対話会が多くの人の協力と準備を経て実現していることを実感しました。互いを尊重し合いながら何かを生み出そうとする試みは簡単な作業ではないと思いますが、多くの人と出会い繋がっていけることは自分の成長や豊かさになると思いますし、ひとりひとりの豊かさが集まったら必ず何かが生まれると信じています。

                    サンジョゼフ校日本セクション(フランス)

                                高3年 平田拓望