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壁のないあそび場-bA-とは?

 国際共創プロジェクト「壁のないあそび場-bA-」(2022-2024 年実施予定)は、日本OECD共同研究の枠組みで運営しています。東京学芸大学教育インキュベーション推進機構内に事務局を設置し、OECDと協働し、国内外の多様な学校(教師、生徒・学生)、自治体、教育委員会、研究者、企業、省庁、NPO等と 協力しながら、産官学連携での運営を目指しています。

 本プロジェクトでは、OECDラーニングコンパス(学びの羅針盤) で提案されているように、生徒・学生たちがエージェンシーを発揮し、2030年の世界を豊かに生きていけるよう、教育の目的、学校の在り方の本質を問い直していきます。また、東京学芸大学は、教員養成フラッグシップ大学として、この共同研究を通して、日本のこれからの学校 教育を担う教師の育成を先導し、世界とのつながりの中で教員養成の在り方自体の変革を、リードしていきたいと考えています。

壁とは?

 環境問題、経済格差、少子高齢化、AI、IoTなど、これからの社会を生きる子どもたちが向き合うことになる社会課題の多くは、予測不可能で、様々な問題がいくつも絡みあう複雑なものになっています。このような課題を乗り越え、新しい未来を創るためには、行政、企業、NPO、市民等の様々な大人が子どもと共に、本気で未来を共創することを目指すアプローチが求められています。

 一方、現在の日本の学校を取り巻くシステムには様々な「壁」があります。これらの壁は、複雑な社会課題に取り組み、個人と集団のwell-beingを実現していくためのエージェンシーやコンピテンシーを育むカリキュラムの実践を困難にしています。

例えば、
■学校内のつながりの中で
 「教員」と「生徒」の壁
 「遊び」と「学び」の壁
 「探究学習」と「教科学習」の壁
 「教室」と「学級」の壁
 など

■学校の制度を超えた中で
 「校種」の壁
 「幼少小中高大の連続性」の壁
 「学校と企業」の壁
 「教育と福祉」の壁
 など

■制度を超えた「暮らし・空間のつながり」の中で
 「学校」と「地域」
 「都市部」と「地方」
 「国内」と「国際」
 「日常」と「非日常」
 など

壁のないあそび場-bA-の目的は?

 これら様々な「壁」を超えた先にある「ミライの学び場」を実装します。特定の国/地域、限られた学校の生徒/学生だけではなく、国境や年齢等を超えて、先生と生徒等の多様な人が、あそびの精神で共創します。
 この共創の体験をプロトタイプすることで、今後の教育や政策への示唆を得ていきたいと考えています。

なぜ「あそび」なのか?

 学びとあそびはシームレス。イノベーションに必要な、余白を残した遊びの精神で、壁の概念を変えて、壁を超えていきます!

 「壁」は壊さずとも、「回転ドア」「リバーシブル」「循環」「あべこべ」など、見方を変えて、「壁の概念」自体を変えれば、風通しのよい学校・社会となり、人の行き交う「場」が活性化される。そこでは、誰もが、共に学び合える時間・空間となる。教育のアップデートを通してから、Well-beingあふれる未来を共創したい!と考えています。

壁のないあそび場-bA-の背景・理念

 東日本大震災の復興支援事業であるOECD東北スクール(2012-2014) の後継プロジェクトです。東北スクールのスピリットである「過去を超える、常識を超える、国境を超える」を引き継いでいます。

 東日本大震災から10年の節目の2021年3月に開催した、OECDと福島大学による共同開催(東京学芸大学協力)ワークショップは、OECD東北スクールのスピリットを次世代へ誇りをもってバトンタッチすべく、「あれから。これから、」と題しました。過去の出来事や現代の常識、慣習に囚われることなく、より良い未来を考え続けられるよう、過去に終止符「。」を打ち、これからの教育についてゼロベースで考え続ける未来に期待を込めて「、」を添えました。当日は、OECD東北スクールでの「2030年の未来の学校、教育モデル」の案を振り返り、想い描いた学校が2021年現在どのくらい現実になっているのかを考たうえで、改めて学校の<あたりまえ>や<常識>の問い直しを対話的に模索しました。

 さらに、2022年3月にOECDと東京学芸大学による共同開催ワークショップでは、今日の生徒・学生が感じている教室内外での分断・二項対立・同調圧力など、中高生が日常感じている、目には見えにくい様々な「壁」が浮き彫りになりました。そこで、「壁を超える」をコンセプトに、国内の生徒・学生たちが、国内外の大人と共に、学校や社会で様々な壁に直面する葛藤を模索しました。

 ここで、「超」えるという漢字を使っている意味は、物理的に壁を「越」えるのではなく、過去や常識や国境の概念自体を「超」えたいという想いと同様に、壁という概念も「超」えたいという想いを込めています。

 これらを受け、いじめ、不登校、受験のプレッシャー、教師の過重労働など現在の学校や社会の様々な課題に対して、これまでの“あたりまえ”や“常識”により生まれている様々な立場、偏見、価値観等といった“壁”を一度取り払い、新しい未来の教育のカタチを、今の時点で実装し、それを多様なメンバーでインパクト評価することで次の教育政策に活かすべく、壁のないあそび場-bA-が企画されました。


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