日本とニュージーランドの体育の授業〜国際比較!

OECD E2030チームのMihoとSatoshiです!

さて、第73回日本体育・スポーツ・健康学会で、OECDE2030の体育教育カリキュラム分析から、世界の潮流をご紹介させて頂きました。その時、日本からE2030のグローバル探究プロジェクト∞無限大に参加している高校生にもご協力頂きました。

「日本の体育と留学先のニュージーランドの体育の授業の違い!」について、実体験を語ってくださいました。ぜひ、Manamiさんの感想とビデオをご覧ください!

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今回の体育学会で、ビデオ出演という形ではありますが、発表させていただけたことを大変嬉しく思います。貴重な経験をさせていただきました。今回は、少し動画編集にも挑戦するという私にとって新しい経験ばかりでした。このような機会を与えてくださりありがとうございます。

今回は、私がニュージーランドに留学している中で感じた、日本とニュージーランドの体育の授業の違いについて話しました。私自身、留学生活の中で毎日のように日本との違いに直面しています。しかし、今回の発表を通じて、体育の授業で感じていた日本とニュージーランドの違いについてより深く考え、自分の意見を持つことができるようになりました。

ニュージーランドの体育の授業では、日本で学ぶことが少ない「ウェルビーイング」について触れたり、スポーツを通して「どう他者とコミュニケーションをとるのか」という授業をします。私は、OECDへの参加を通して「ウェルビーイング」という言葉に触れましたが、同じ日本人の留学生の中には、言葉は聞いたことがあっても、内容を知らないという生徒もいました。私はこの単元を通して、「体育」という教科への見方・考え方が変わりました。

日本にいた頃は、競技のルールについて知り、どれだけ上手くプレイできるかという判断基準が中心でした。高校の体育では、生涯にわたり健康のために運動をするにはどうしたらいいのかについて触れる機会がありました。しかし、競技のルールや競技の際のテクニックなどの専門用語について学ぶことが圧倒的に多く、自分のことについて考えたり、どうしたら効率よく体を動かすことができるのかなどについて考える時間や学ぶことはなかったです。

私は、運動することが全く得意ではなく、留学中に体育をとった理由は「プレイをするだけで評価がされるなら、英語力がなくても大丈夫だろう」というネガティブなことでした。

実際、日本とは大きく異なるシステムで戸惑うこともありましたが、貴重な体験をすることができて、とっても良かったなと強く感じています。

ぜひ、ニュージーランドの授業については動画内で詳しく語ったので、そちらの動画を見ていただければ幸いです。

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Manamiのビデオ鑑賞後、Satoshi(ニックネームは、ハッチです)の感想。

Manamiさん、ビデオへの出演、ありがとうございました。日本とニュージーランドの間で「体育」の捉え方や指導内容や方法、評価の仕方が大きく異なっており、日本で体育の授業を受けてきた私にとっても大変意外でした。

実際にニュージーランドのカリキュラムについて調べてみると、体育の焦点は「健康関係や運動に関する学習を通じて、生徒自身や他の人々、そして社会のウェルビーイングにある」と、体育を学ぶ理由は「健康関係や運営に関する学習や課題の受容を通じて、生徒たちはウェルビーイングとその促進方策について考えることができる」とされ、ウェルビーイングが非常に強調されていることが読み取れます。

翻って日本について考えると、体育と言えばまず運動というイメージでとらえがちかと思います。しかし、保健体育で育成するべき資質・能力は「生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力」とされており、運動はこの資質・能力を身に着けるための一つの手段と考えられます。言い換えれば、この資質・能力を育成するためには、運動以外にも様々なアプローチがあり得るでしょう。

このManamiさんの動画が、体育に対する先生方自身の「見方・考え方」を改めて捉え直すきっかけになることを期待しています。