日本OECD共同研究では、本年度から、未来の先取り実践・実装である「プロジェクト無限大」「壁のないあそび場「座」をはじめ、様々な現場の取り組みから、未来の政策研究・政策提言につなげるための、テーマ別ワーキンググループ(TWG)を組成し、研究活動を強化しています。この一環で、TWG2と6の合同ワークショップ「緊急対応時に教師のマインドセットと教師のウェルビーイング」が開催されました。
下記、TWG2共同座長の三浦先生からのご報告となります。
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(1)TWG2共同座長の中村賢治さんから『みんなのルール』(対話のルール)の共有がありました。私たちは毎回、この若い世代も関わって作ったこのグラウンドルールを確認します。価値ある対話を生み出す土壌のような機能となっています。
(2)中村賢治さんからFG2Cチームが実施したウクライナのアナ先生との WS「What’s the teacher’s mindset?」の報告。戦時のウクライナにおいて安心・安全の場を作っているアナ先生の話を聞いた後、「学校の機能が止まったとき、教師としてどのようなマインドセットを持つことが大切か?」を教員志望のメンバーが話し合ったプロセスが、今回のWS開催に繋がりました。
(3)TWG2共同座長の宇野光範さんからは日本OECD共同研究内のそれぞれのTWG(テーマ別ワーキンググループ)が目指す方向性のうち、TWG2の全体像を共有いただきました。
(4)共同研究員(当時)の片貝英行さんからは、能登半島地震発災後1月から3月まで日本OECD共同研究主催で運営した『能登半島地震で被災した子どもの居場所づくり関係者会議』については報告されました。東日本大震災を契機に立ち上がったOECD東北スクールという原点を踏まえ、様々な形で被災地支援を行ってきたこと。そして、今回、子ども・保護者・学校・教員・NPO/NGO、国・県等の関係者の声を聴き、今必要なことは何かを集めて対応してきたことが報告されました。
(5)OECD田熊美保さんからは、マルチステークホルダーで教育に関わる議論を進めてきた(いる)こと、世界で起こっている様々な災害(自然災害、人災)下においては、教師の「マインドセット」や「ウェルビーイング」が大切だということが見えてきたことが伝えられました。今回のTWGでの様々な議論を元に、現在OECDが作成しているティーチングコンパスへの提言としてまとめる予定です。
(6)三村先生にEarthのこれまでと、蓄積されてきた知見についてお話いただきました。
その中からいくつかのポイントを抜粋して、紹介します。
震災・学校支援チーム(EARTH)とは?
・阪神淡路大震災時に受けた全国各地からの支援に報いるために結成され、災害発生時に要請に基づき、被災地の学校の教育復興を支援する教職員の組織。(兵庫県教育委員会が設置)
・EARTH運営委員会、EARTH事務局、5つの班「研究企画班」「心のケア班」「学校教育班」「学校給食班」「避難所運営班」という組織構成。
・兵庫県のカウンターパートは石川県珠洲市であった。
・三村さんは1月5日からEARTH先遣隊として派遣された。
・238名全員にTeamsアカウントが配布され、現地部隊と後方支援部隊に別れて連動して支援活動に当たることができた。
・最初から万全を備えていけるわけではなくて、その時に現地で必要なものをアップデートしながらチームで動くのがEARTH。
・被災した子ども達のつぶやきを拾って、先生方と共有していく。そして一緒にその先を考えていく。
・育成段階のEARTH員もいる。共に活動しながら、語り継いでいく。
・その地、その地のやり方に準ずるのがEARTHのあり方。
・災害時ヘルプを求める先は、平時において信頼のおける人。一番頼れる方に本音を言うという現状がある。
(7)TWG6共同座長の齋藤 玲さんから「Digtal D-EST」について
平時からいかにデジタルで教員・教育関係者が繋がりを作っておくことが重要かが見えてきたという観点から、平野敏校長先生のアイデアに着想を得た「Digtal D-EST」というネットワークのイメージの共有がありました。今回のWSの成果も踏まえて、実装のフェーズに入っていくことになります。
(8)その後小グループに別れて、「緊急時の教師のマインドセット」「緊急時の教師のウェルビーイング」という観点から、対話を重ねました。それぞれのグループの対話の中から生まれたキーワードが書かれたボードを紹介します。