2026年1月23日、大阪府泉大津市立小津中学校にて、Flying pEnguins(OECD生徒部会日本支部)と連携した「おさんぽメガネワークショップ(WS)」が開催されました。このワークショップはこれまでFlying pEnguinsたちが様々な場所で実践し深めてくれていたもの。今回は研究開発学校としての公開授業の一つとして、「参加型公開授業 × OECD生徒部会」と銘打ち、大人も子どもも一緒になって街へ飛び出しました。濃密な2時間の記録をお届けします。
■ 「教科のメガネ」で、世界が鮮やかに書き換わる
生徒たちが手にしたのは、理科・数学・社会・英語……といった「教科のメガネ」。
見慣れたはずの通学路や公園が、メガネを通すと全く別の景色として立ち現れます。
理科のメガネ:道端の雑草を見て「日陰の厳しい場所を選んで生きている。その生存戦略、自分の進路と重なるかも」と人生に重ねる生徒。
社会のメガネ:お寺の石碑に刻まれた「茅渟(ちぬ)」の文字から、かつてそこが賑やかな漁師町であった歴史を掘り起こします。
英語のメガネ:「松ぼっくり=pinecone(パインコーン)」といった発見や、立ち入り禁止の看板「Do Not Enter」のニュアンスの違いに納得。
アンケートでは、生徒の100%が「教科のめがねをかけて考えを広げたり深めたりすることができた」と回答。「教科書は脳に書き込むだけだけど、五感を使うと納得感が違う」という言葉は、身体性を伴う学びの価値を雄弁に物語ってくれています。
■ 先生たちの「アンラーン」:教えるから一緒にワクワク楽しむへ
このWSは、先生たちにとっても「既存の授業観」を揺さぶられる時間となりました。
当初、先生たちは授業としてこの取組を行うにあたり「何かを教えなければいけない気がする」という気持ちも感じていたと言います。しかし、一歩街へ出れば、予想外の「ヨモギ」への好奇心や、教室では静かな生徒が生き生きとリーダーシップを発揮する姿に遭遇しました。
OECDのMIHOは、この変化を「教師のプロフェッショナル・アイデンティティの揺れ」と呼び、それもまた「おさんぽメガネワークショップ」の価値であると指摘しました。 「正解」を最短距離で教えるのではなく、生徒と一緒に「いい揺れ」を感じながら歩く伴走者へ。先生たちの役割がアンラーン(既存の価値観の捉え直し)された瞬間でした。
■ 終わりに:不確実なプロセスを楽しむ
「直線的ではないプロセスこそが、特色ある教育を創り出す鍵になる」。 効率性や評価の枠組みを超えて、大人と子どもがフラットにワクワクを共有したこのお散歩は、これからの「学び」の在り方を指し示す、確かな一歩となりました。Flying pEnguinsのみなさん、本当にありがとうございました!
