こんにちは。高崎市立並榎中学校のこばです。フランスの写真をAIにかけたら、坊主がスキンヘッドになりました。
今年の2月から、ルーマニアのグリゴレ・モイシル国立高校と国際共創を行っています。
レポートします。
1. はじめに:プロジェクト∞無限大の成果物が繋いだ。
昨年12月、プロジェクト∞無限大の生徒教師国際サミットがパリで行われた。そこで私のチームが発表した成果物が、ルーマニアのグリゴレ・モイシル国立高校の教師、アレクサンドラ先生の目に止まった(写真はアレクサンドラ先生お気に入りの私のチームのプレゼンの一部)。
お互いに「文化の違いを乗り越える学びの場を生徒に提供したい」という共通の願いを持っていたことから、2校間でのオンライン交流が始まった(枠内はアレクサンドラ先生からのメッセージ。
こんにちは!私はルーマニアの教師、アレクサンドラです。InfinityのMVPを拝見しましたが、とても素晴らしいプロジェクトですね!ぜひこのプロジェクトを続けてほしいと思いますし、私の学校も参加したいです。 英語は問題ありません。AIで翻訳できます。プロジェクトを担当された先生の一人とお話ししたいです。 よろしくお願いします!ありがとうございます! Hi! I am Alexandra, the teacher from Romania. I read your MVP for the Infinity and I like your project very much. I hope you continue the project and I would like my school to join.English is not a problem, we have AI to translate. I want to talk to one of the teacher that coordinated the project. Thank you!
2. 国際共創の概要
プロジェクトは、ルーマニア側の「RISE&REBOUND」プロジェクトへの協力という形から始まった(以下プロジェクト資料より。活動内容を抜粋した。便宜上丸数字をつける)。
主な活動内容: ①「Rise and Rebound(ライズ・アンド・リバウンド)」 生徒と教師による混合チームでの親善サッカー試合と、その後の振り返りセッションを行います。この活動 では、成功と失敗の両方から学び、チームワークとオープンな対話を通じて、共感、公平性、協働といっ たグローバル・シティズンシップ の核心的価値を育てます。②「Emotion Jenga(エモーション・ジェンガ)」 クラシックなジェンガをカスタマイズし、各ブロックに教室での感情に関する質問が書かれています。生徒 と教師が交互にブロックを引きながら、自分の感情について語り合い、正直な会話と共感を促進します。感 情への気づきや異なる視点の尊重を学びます。③「Respect & Self-Respect(尊重と自尊心)」 心理士によるインタラクティブなウェビナーで、尊重と自尊心がコミュニケーション、境界、学校内での人 間関係にどのように影響するかを探ります。感情的リテラシー と相互理解の促進を目指します。④「United Against Bullying(いじめに立ち向かう)」 生徒、教師、保護者、地域の関係者が参加するコミュニティ・ウェビナーです。いじめやサイバーいじめ へ の理解を深め、早期警告サインを認識し、より安全で思いやりのある学校づくりのための共通戦略を考案 します。デジタル責任 と尊重の文化を築くことを目的としています。⑤「Culture Connect – グローバル市民ポスター展示会」 生徒と教師が協力して、世界の文化、価値観、伝統を祝うポスターと情報スタンドを作成します。異文化理 解 や多様性への敬意を育み、ピアラーニングと国際的な対話を通じてグローバル・シティズンシップ教育 を促進します。⑥「AI for Good – 倫理的かつ創造的なAI活用を探る」 生徒がAIツール(チャットボット、デザインアプリ、データビジュアライゼーションなど)を使って、学校 生活の課題を解決したり、コミュニケーションを向上させたりする実践型ワークショップです。ディスカッ ションでは、AIの倫理的使用 、デジタルアイデンティティ 、クリティカルシンキング についても深掘りし、 責任あるデジタル参加を促します。
①について、3月にプロジェクト∞無限大の日本のチーム2名が、コンサルティングのような形でオンラインミーティングを行いました。
③④について、ルーマニアのチームと並榎中学校のチームで5月と6月にウェビナーを共創しました。具体的には、
1. オープニングと目的の説明
2. アイスブレイク
3. PPTプレゼンテーション
4. ブレイクアウト・ディスカッション
5. グループ発表と全体のふりかえり
6. クロージングと行動への呼びかけ
と進められるウェビナーの中で、PPTプレゼンテーションを共創しました。
PPTプレゼンテーションは①打ち合わせ、②リハーサル、③本番という流れで形にしました。
※プロジェクト∞無限大への参加経緯は、こばの個人応募という形、「RISE&REBOUND」プロジェクトは教育課程内の特別活動の形を取り、生徒会本部役員と学級委員会として参加した。それゆえ、私のチーム、並榎中学校のチームと使い分けている。
3. 国際共創ローンチ
「RISE&REBOUND」プロジェクトが一区切りついたあと、そのプロジェクトの途中でOECDティーチングコンパスがリリースされたことから、グリゴレ・モイシル国立高校、並榎中学校、日本OECD共同研究事務局、FG3の中村賢治先生、プロジェクト∞無限大関係者、生徒部会で「RISE&REBOUND」プロジェクトとOECDティーチングコンパスの関係について、考え、理解を深める国際共創ローンチを行った。
グリゴレ・モイシル国立高校、並榎中学校、日本OECD共同研究事務局、FG3の中村賢治先生でPPTプレゼンテーションを行ったが、そのノウハウは上記ウェビナーと同様の段取りであった。
4. まとめ
突然のルーマニアからのラブコールで最初は戸惑ったが、プロジェクト∞無限大OGのプロジェクトのマインドを引き継いでいきたいという希望に後押しされ、動き始めることにした。
私自身英語ができないため、不安であったがアレクサンドラ先生の翻訳アプリを駆使したガイド、zoomにおけるEventcat(zoomと連携できる翻訳サービスの活用)、東京学芸大学のたまきさん、日本側の英語教師の助けにより、どうにかこのプロジェクトに取り組むことができた。
このプロジェクトはOECDラーニングコンパス、ティーチングコンパスの実践であり、研修でもあった。生徒たちは変革をもたらすために、ルーマニアの生徒と対話を重ねた。私は、国際共創においてウェビナーが非常に有効でそのノウハウを身につけた。その過程で、マネージャー、ファシリテーター、変革の実践家とあらゆる役割をこなした。本校の英語教師は、このようなプロジェクトに参加することで、生徒が文脈の中で英語で伝えたいというシーンに出くわし、この生徒の欲求を再現できる状況をつくりたいと言っていた。
本実践は汎用性があるものだと思う。このような実践が広がることを切に願う。