3月1日から7日に、トルコからの生徒・教師を招いて、能登地域での開催を予定していました「プロジェクト無限大2.0:能登Emergency Relief Club」に関して、2月28日に発生しましたイラン・中東情勢の影響により、トルコからの生徒・教師の渡航が困難となりました。そのため、来日できたOECD職員並びに日本側メンバーのみで、内容を変更して能登地域で開催しました。東京で予定されていたプログラムはすべてキャンセルとなりました。
以下輪島高等学校の岡本夕佳先生からの、能登での実施内容に関してのご報告です。
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1.実施期間 3月2日(月)~3月4日(水)
本事業のトルコの招へいは、日本と他国の若者の科学技術交流を促進する「さくらサイエンスプログラム」の助成により開催する予定でした。そのため、プログラムは、日本及び世界の科学技術・イノベーションの発展に貢献することを目的として設計され、職業開発、文理融合など、高校のサイエンス教育改革に向けての示唆につながるプログラムとなるよう、OECDの支援も得て、デザインされました。
トルコ生徒・教師がイラン情勢悪化により来日が中止となったため、スケジュールを一部変更して、下記の通りプログラムを実施しました。輪島高校全体でのトルコとの交流を願う熱意は高まっており、是非次の機会を模索したいと思っています。
【3月2日】15:00-17:00@輪島高校
Symposia on The Noto Revitalization Project “Treasure Hunt (MIT100)” by High School Students in Noto. ~能登の中高生による復興推進(Treasure Hunt)プロジェクト〈めざせMIT100〉~
テーマ:How science and technology, such as apps and AI, can contribute to earthquake recovery?(地震からの復興にアプリ / AIなどの科学技術が貢献できることは?)について、MIT App Inventor Foundation、株式会社IRODOR、北陸SDGs総合研究所、AI for Human Science、輪島市職員の皆様、高校魅力化コーディネーター、OECD職員、OECD Education2030/2040生徒部会メンバー、青楓館高等学院生徒・教師の皆様と、輪島高校の生徒教師が集い、輪島高校生が探究活動として進めてきたアプリ開発をベースに、「地震からの復興にアプリ / AIなどの科学技術が貢献できることは?」について、話し合いました。
探究活動の成果をアプリという形にまとめることができ、その成果を校外の方から客観的な評価を得ることができました。現時点ではアプリは未完成の部分が多いのですが、コメントをもらうことで制作を継続し、最終的にアプリを完成させ、輪島市民のみなさんに広く使ってもらえるものにしたいと、生徒たちのモチベーションが高まりました。


【3月3日】@輪島高校
翌日の「おさんぽめがねWS」及び「想定外を考える会」のための準備
【3月4日】@輪島高校
(午前)おさんぽメガネWS
科学のメガネでワークショップを実施し、日常(社会)を科学(理系科目)の視点で見ることでの気づきや学びはどんなものがあるか。「教科横断」だけでなく、「文理融合」のさきがけ的な実践になることを目指しました。
当日参加者:
輪島高校:教員5名(英語、理科、歴史、商業、数学)
生徒(1・2年生)11名、(3年生)4名
保護者兼他校教員:2名(小学校、中学校国語)
青楓館高等学院:教員2名(商業・情報・現代社会、数学・情報)
生徒3名
高校魅力化コーディネーター:1名
OECD職員、OECD Education2030/2040生徒部会日本メンバー
①朝市訪問チーム、②お寺訪問チーム、③学校チームに別れ、おさんぽしながら、「科学のメガネ」で、能登の復旧/復興への案を考えました。具体的には、物理インフラ(建物、道路、水、電気、通信、避難導線など)、人の生活(通学、買い物、医療、働く場、居場所など)、人のつながり(地域組織、外部支援、情報共有、分断の有無など)を科学的な視点でとらえ、「復旧案」又は「創造的復興案」を「シンプル計画案」作成のためにブレストし、発表しました。
参加者はグループごとに地域を散策し、歩きながら発見した風景や文化について対話的に共有することで、印象に残った場所や地域の魅力について意見交換を行うことができました。
また、グループごとに気づきや学びを整理し、発表を通して共有したことで、参加者自身が地域の価値を発見し言語化することができました。能登地域でのフィールドワークを通して、生徒が地域文化や地域社会の価値について主体的に考える姿が見られたことを、うれしく思っています。



(午後)13:05-15:05 「想定外を考える会」
本来であれば、トルコ高校生をお迎えし、「ウェルカム&フェアウェル&文化交流会」を行う時間であったが、急遽トルコチームの参加ができなくなったため、この事態(想定外の事態)を自分事として考えるにはどうすればよいか、を考えた。また、生徒たちは能登スクールメンバーがファシリテーターとなり、トルコについて理解を深め、次回の招聘に向けた継続的な交流案を考えました。
〔当日参加者〕
輪島高校:生徒1・2年生(150名)、卒業生4名、輪島高校教員30名
青楓館高等学院:教員2名、生徒3名
飯田高校教員:1名
OECD職員、OECD Education2030/2040生徒部会日本メンバー
これまでは一部の生徒のみがトルコの高校生と交流していましたが、学校全体でトルコの方と交流する意欲が高まりました。また、予定外の事態となったが、生徒だけでなく教員側の危機意識と与えられた時間内での話題提供などで主体性が高まりました。
今回の会により、学校外の方に企画を練ってもらうだけでなく、学校内の生徒や教員が当事者意識と責任感を持って活動にあたる意識が芽生えたと考えています。


