こんにちは!福井県にある藤島高校のNozomiです。
3月28日、探究的な数学の学びを体験しながら、理想の授業のあり方について語り合うオンラインワークショップ「さんすう、数学苦手な子集合!」に参加しました。
はじめに、永平寺中学校の生徒さんたちが日頃三上泰生先生(Mikami Hiroki)と共につくっている探究的な授業について語ってくれました。数学を日常の体験と結びつけながら自由に学んでいること、その学びをとても楽しんでいることが熱のこもった口調や写真から伝わってきました。

その後、探究的な学びを体験してみよう!ということで身の回りの「マイナス」を探し、「マイナス×マイナス」の式が生まれるストーリーをグループで考えました。みんな「水槽に入った水の高さ」「1日に食べる飴の個数」「進む速さ」「時間の流れ」など様々な視点で考えていて、どのストーリーもとても興味深かったです。

グループ別対話では「あったらいいな」と思う授業や、「ここを見てほしい」という思いから新たな評価のカタチを考えました。先生方が「透明人間」になって下さったため、生徒も心置きなく本音で語り合うことができました!たくさんの「理想の授業」についての意見を聞きながら、今まで漠然と「楽しい」「つまらない」と思っていた授業の「どこが楽しいのか」「なぜつまらないのか」が少しずつ言語化されていき、自分の中で腑に落ちることがたくさんありました。以下、4つのグループで出た意見です。
Aチーム
○現状の授業
・先生がひとりでどんどん先に進んでしまう授業⇒嫌だ
○理想の授業
・楽しい雰囲気で自由に試行錯誤したり、考えたりする授業
○評価の在り方
・基礎の問題やその出来ばかりを見ないで欲しい
Bチーム
○現状の授業
・受け身の授業で先生に当てられ、質問に答えられないと授業のテンポが遅れる
⇒周りに迷惑をかけているという気持ちになる
○理想の授業
・学校で仲間と共に学ぶからこそできる授業
⇒グループワークや自分たちで設定した問いについて「自分のペース」で探究する
○評価の在り方(私たちのここを評価して!)
・テストには問題集にあるような問題だけでなく、もっと探究の内容や現実が含まれている問題の方が、生徒が数学をどのように将来に役立てればよいか分かるようになる
・先生は授業の様子から評価をつくり、生徒もその単元後に振り返りを書いて、二つの評価から通知表をつけてもらうとよい
⇒グループワーク中心の授業だと、先生がすべての生徒のがんばりを見ることは難しく、ちゃんと評価してもらえないのではないかと感じたから、自分たちも振り返りを書く
Cチーム
○現状の授業
・テストがあるからか先生が一方的に授業を進めて生徒はつまらない
・グループワークが極端に少なく、友達とのコミュニケーションを取ることさえままならな
い
○理想の授業
・現実世界と数学を往還しながら学びを広げる過程で、実際に外に出て実験したり、友達と意見交換ができたりする授業
⇒その過程で広く深く、時には単元の幅をこえながら学ぶことができる。また、友達との意見共有が多いことで一つの問題を多角的に捉えることができ、一つの答えに辿り着くまでの様々なルートを知ることができる。
Dチーム
○評価の在り方(私たちのここを評価して!)
・学習意欲面をもっとみてほしい
⇒意欲が見られたらもっと数学をしたくなる(成績のためだとしても、とりあえず数学に興味を無理矢理持ち始める→とりあえず興味を持つことはいい事だと思う。)
○問題提起
・(問題集の問題を集めたような)テストの点数は上がるが楽しくない授業or演習する時
間が授業時間にないため、入試や確認などの点数には直結しないけど、探究的な思考する
授業どちらがいいか?
⇒探究的だしテストの点数は上がる授業がいい
○理想の授業
・仲間たちと協力しながら疑問などを出し合ったり、教えあったりできたり、色々な解き方を共有できたりする授業
・探究的な学び以外の問題集的な問題を解く時も協働で学ぶ
⇒集中して解くことができるか?
グループワークに慣れていない生徒でも、友達と話し合って解くことができるか?
今回のワークショップで「先生だけ」「生徒だけ」では本当にみんなが楽しめる授業は作れないのだと感じました。そのためにも、先生と生徒がフラットに本音で語り合える場はとても重要だと思います。今回は先生方に「透明人間」として見守っていただきましたが、次はぜひ先生方とも語り合いたいです!今後、より多くの生徒、先生にこのような取り組みが広がっていくといいなと思います。