グローバルフォーラム・スペシャルセッションのご報告

皆さんこんにちは。

在外教育使節ネットワーキング座では、

10月13日(日)グローバルフォーラム・スペシャルセッションとして、日本OECD共同研究:在外教育使節ネットワーキング座x公益財団法人 海外子女教育振興財団コラボ企画 「先生のキャリア・パス ~海外編~ 派遣教員OB・OGの今」を行いました。

現在、海外で学ぶ日本人生徒のために、日本人学校や補習校など、日本語教育を提供する在外教育施設は世界に350以上存在します。特に日本人学校には、日本で教壇に立っている現役の教員を海外に派遣する制度があります。それが「派遣教員」と呼ばれる先生方です。

在外教育施設に派遣される先生は豊かな人的資本のはずですが、その先生方の海外での経験が、今の日本の教育の中では十分に生かされていないのではないかという声を聞きます。海外で働いている在外教育施設の教員、日本の教員、そしてその両方を経験している「派遣教員」。私たちが交わることで、世界の状況をキャッチして、いいところは自身の人生やクラス指導/学校運営に生かすという『いいとこ取り』をする編集力をつけることができるのでは、と考えています。また、海外の教育に興味のある先生、将来教師を目指す学生の皆さんにも、海外で「教師」という選択も身近であるということを知ってもらう機会になればと今回企画しました。

今回話題提供者として、3人の元「派遣教員」の先生方に、海外の経験とその後についてお話していただきました。

公立中学校教諭の河野 真也さん(前広州日本人学校)は、帰国後も積極的に国際交流を続けており、海外経験を「どこでもドア」と表現し、まず開いて行動してみようと話していただきました。

付属小学校教諭の河口雅史さん(前ロッテルダム日本人学校)は、「和をもって個性を解き放つ」「まそび(あそび×まなび)」という信念のもと、日本の教育の良さも持ちつつ、子どもたちに主体的に学ぶ姿勢を、自身の実践を通して育んでいきたいと話していただきました。

大学院生の高橋奈々さん(前日本メキシコ学院、泰日協会学校)は、現地採用教員としての経験から、日本人学校での長期滞在の現地採用教員の役割の重要性に注目し、現在研究の道に進んでいます。今後の日本の教育にも、多様な教育観を持つ先生が自身の「当たり前」を崩しながら、ともに協働していくことが重要ではと話していただきました。

3人とも、それぞれ海外で肌で感じたものを敏感かつ柔軟に取り入れ、様々な場面で還元している姿が印象的で、こちらが元気をもらえる、そんな素敵な発表でした。

後半のグループ対話では、「派遣教員の経験が生かされるためには」というテーマで「自ら生かす」「周りが生かす」にはどのようなアイデアがあるか出し合いました。

OB/OGの先生も多く参加していたので、自身の経験を共有しながら、より具体的なアイデアが各グループから出されました。

今回のワークショップは、「派遣教員」の先生のその後にスポットを当てた会でしたが、多くの「派遣教員」の経験こそが、教育の豊かな財産であると感じました。これまで還元されてこなかった海外の経験や取り入れたノウハウを、これからの多様な子どもたちの個別最適な学びや協働的な学びのために生かせるのではないかと感じる有意義なワークショップでした。

最後に、共同座長のみよっぺより

グローバルフォーラムスペシャルセッション

「先生のキャリアパス~海外編~派遣教員O G・O Bの今」を終えてと題して感想をいただきました。

在外教育使節ネットワーキング座に参加するようになって、2年目。ほぼ隔週、オンラインで定期的に顔を合わせ、最近の自身の近況などの何気ない会話から始まるのが、私たちの定番です。そんな和やかな雰囲気の私たちが、まさかこのイベントのスペシャルセッションを担うなんて、メンバーの誰もが予想していませんでしたし、また正直焦りました。果たしてこの短い期間でできるのだろうか?と・・・。

そこには、またOECD共同研究の方々の多大なる温かいサポートと励ましがあったことはもちろんですが、私は、他のメンバーの動きの渦に巻き込まれ、あれよあれよと引っ張られ、ただエールを送っていただけでした。そして実際にセッションが始まってみると、スピーカーの方たち以外でも海外での経験のある先生方、またこれから経験しようとしている方、その経験談を参考にしたい方など様々な方々が国を越えて多く集まってくださり、こういったプラットホームの必要性を強く感じました。それと同時にスピーカーのお一人の河野真也氏のお話にもあった「どこでもドア」のドアを見つけてしまった。「もう行くしかない!」

私たちは、それぞれの環境で色々な事情があり、立場や方法も多種多様ですが、それでも一緒にスタートラインに立った感覚で、更なるクエストをゴールまで続ける勇気が湧いてきました。  浦山美代子

私たち在外教育使節ネットワーキング座は、今後もこの繋がりを継続しながら、派遣教員の貴重な経験を発信する場を作るとともに、定期的なワークショップを開催し、参加者同士の情報交換を行っていきたいと考えています。海外を視野に入れている先生や教員になりたい学生も、今後の在外教育使節ネットワーキング座の活動をぜひチェックしてみてください。