日本OECD共同研究、IALS(International Association of Laboratory Schools:国際付属学校協会)、神戸親和大学HOPE Teaching -Wa-座共催のワークショップ、「伝統に育まれる革新」-二つの付属学校(ラボスクール)の物語から-のご報告

こんにちは。神戸親和大学の三井知代(Tomo)です。

3 月23日10:00~12:00まで、オンラインで日本OECD共同研究、IALS(International Association of Laboratory Schools:国際付属学校協会)、神戸親和大学HOPE Teaching -Wa-座共催のワークショップ、「伝統に育まれる革新」-二つの付属学校(ラボスクール)の物語から-を実施しました。

オープニングでは、田熊美保氏(OECD教育スキル局シニア政策アナリスト)から学校の「伝統と革新」を考える際に重要なメッセージを頂きました。ラーニングコンパスにおいてTransformative competencies「変革をもたらすコンピテンシー」が重要な力とされており、そこには「新たな価値を創造する力」、「対立やジレンマに対処する力」、「責任ある行動を取る力」が必要であること、さらにどのような状況であっても「教師と生徒の関係性」が何よりも重要であると示されました。

続いて、100年以上に渡る歴史がある2校の付属学校の「伝統と革新」についての報告がありました。

奈良女子大学附属小学校主幹教諭の阪本一英氏からは、開校以来日本の教育政策が子どもの学びを育む教育と系統的にきちんと教える教育の間を揺れ動く中で、子どもが自らの問いを持ち、どのように学ぶのかを見通し、試行錯誤して問いを解き続けようとする「自律的学習力」を育てる独自の教育方針について、具体的な例を示しながら説明されました。

続いてトロント大学附属学校園 (Dr. Eric Jackman Institute of Child Study Laboratory School:JICS)のリチャード・メッシーナ校長からは「3つの重要な教育原則『安全』、『子どもの個々の発達への認識』、『探究学習』が、JICSのすべての行動指針であり革新の基礎である」と述べられました。そしてJICSの革新として、社会の変化に対応して個々のアイデンティティ(ニューロダイバーシティも含む)が尊重される『安全』な教育環境について、また探究学習の進化としての知識構築(ナレッジビルディング)の原則を通して、生徒が自分たちの学習に主体性を持ち、集合知を発展させるために協力し合うコミュニティを育んでいることを示されました。

その後のディスカッションにおいては、「子ども中心の学び」、「自律的学習」を守ってきた両校の共通点が示され、加えてAI時代において『子どもと教師の関係性の重要性』を今後どのように考えていけばよいのかについて問題提起が行われました。司会者のElizabeth Morley 氏(トロント大学附属学校園 名誉校長)から「今回の『伝統と革新』というテーマについての議論は、今日2校の報告と議論により、小さな「種」が蒔かれた。その芽を大切に育て、今後様々な学校の経験を共有し、より深く、実り豊かな対話のきっかけにしていきたい」との呼びかけがありました。

激動する社会において、今後子どもたちの学びをどう守り、育んでいくのかについて、「伝統」、「革新」という観点から引き続き対話を続けていきたいと思います。

通訳は、桜井みどり氏が担当されました。