座主会議のご報告

こんにちは、事務局のAiです。

昨夜は、日本OECD共同研究-壁のないあそび-bA-で「座」を運営して下さっている座主の皆様同士の目線合わせ会議でした!

日ごろ、それぞれにご活動されている「座」の皆さんがお互いの活動をシェアしたり、次の展開に向けてアイディア出しをしたりと、横のつながりを新たに作る、さらにそのつながりを深め合う意義深い会となりました。

最近新しくできた座もあり、このホームページ内の「Project」内で、現在活動中の座をご紹介しておりますので、ぜひそちらもご覧下さい!

「座」の活動、「プロジェクト∞無限大」の活動、「TWG」の活動、それぞれに引き続き発信していきますので、どうぞお楽しみに♪

TWG3からのご報告です。

 TWG3座長の後藤です。2024年9月6日と9日、TWG3のワークショップ「困難をかかえた多様な子どもたちを包摂できる教育制度、学校の在り方、教員の働き方、教員のウェルビーイングとは②③」を開催しました。6日のスピーカーは、沖縄県名護市の元スクールカウンセラー(SC)で現在は大学教員の岸本琴恵さん、京都府の元小学校教員の竹本茂さんでした。また、9日のスピーカーは現在、滋賀県湖南市で教育長をされている松浦加代子さんでした。ここでは、2回のワークショップの内容をあわせて報告します。

 第2回では、はじめに共同座長の柏木先生から前回の議論を踏まえ、次のような提案を頂きました。

・困難を抱える子どもたちとそれ以外の子どもたちの学びを区別して捉えるのではなく、全ての子どもが他者の存在を認め、多様性を認めながら相互作用していくこと、そのことを通じて民主的な社会を担う主体を育てていくような学校のあり方が求められているのではないか。

・子どもをニーズの充足の客体としてだけ見るのではなく、お互いに支え合う主体として見ることが重要である。具体的には、子ども自身が他者のニーズに応答することが良いことだ、と感じられるような場づくりが求められている。

・学校の機能を二段階で捉えること、すなわち、学びの機会保障を行うためには、個別のニーズに応じる福祉的機能の充足のうえで、みんなで学び合う場になっていくことが必要である。

 次に岸本さんから、名護市が不登校数を半減させた頃の教育委員会・学校のあり方、ケース会議の効果的な実施方法について話して頂きました。要点は以下の通りです。

・名護市では、2000年代後半、「授業のなかでどう困難を抱える子どもたちを救っていくか」を重視するようになった。その結果、名護市は不登校を半減させた。当時の教育委員会のスローガンは、「どの子も絶対排除しない、全ての子どもを救う」だった。

・その後、2012年頃から教育と福祉の連携が進み、福祉職員がケース会議に参加、主導するようになった。そのことでスムーズに対応できる事例も増えたが、逆に教員が話す機会が少なくなった。学校として、教師として何をするかが語られなくなった。

・さらに、教育委員会が学力向上を強調するようになったことで、不登校数が元に戻ってしまった。

・こうした状況を変えるためには、ケース会議の持ち方を工夫する必要がある。一例として、教員が中心となってケースを検討するインシデント・プロセス法というものがある。まずはケースの紹介を5分程度で行う。資料は作らない。そのあと、教員が4人グループで協議。その後、協議の結果を発表する。先生同士の出すアドバイスは実に的確。先生同士の対話で先生はエンパワーされていく。しかし、最近は先生が忙しすぎて、こうした活動が十分にできていない。

・授業のなかで子どもを救うとは、ケアと学びを同時に追求していくことである。具体的には、①子ども同士をつなぐことを重視。おとなりに聞いてごらん?ということの推奨。②分からないときは分からないと言っていい、という雰囲気づくり。③夢中にさせるために教具を工夫し、それを介して子どもたちがコミュニケーションするような授業。さらに、④授業中に絶対に不安がらせないこと、怖がらせないこと。

 さらに竹本さんからは、児童養護施設から通う子どもが比較的多く通う学校で6年間校長を務めた経験を中心にお話をうかがいました。要点は以下の通りです。

・児童養護施設から通う子たちは、経済的に厳しく、文化的にも底辺に置かれている、社会関係資本も少ない子たちを含めてどういう学校を作っていくのかを考えてきた。

・厳しい状況の子こそ、仲間の力によって支えられる。そうした子たちを含め、全ての子どもたちに仲間とのつながりをどう保障していくのか。まずは一斉指導を前提とした教育目標を変えることにした。目標として掲げたのは、「全ての子どもがつながって、将来の社会的自立を目指して、力を伸ばしあう学校」。子どもたちがつながる、ということを最も重要な価値において、その先に将来の社会的自立を目指すということを最上位の目標として教育活動を行ってきた。

・さらに、特別活動もまるごと作り変えた。先生だけが頑張るのではなく、子どもたちも自分たちの課題として、お互いの違いを理解し、どうすればみんなが幸せになれるか、子どもたちも含めてみんなで考えましょう、ということを重視。例えば、運動会はやめた。みんなが幸せになるためにできることは何か。3時間で何をすればいいか考えてごらんと投げかけた。子どもたちにも、競争がいやな子がいる。体は動かすが競争にならないようなものを考えていき、スポーツ集会という形になった。

・関係機関との連携やSC、SSWとの連携においても、「子どもの最善の利益」の保障という目標の共有を重視してきた。教員はそもそも連携に慣れていない。一人一人の力量形成ではなく、先生も含めて手を借りながらやることを当たり前にしていくこと。「受援力」を一人ひとりが持つことを重視してきた。

・子ども自身を巻き込んだ教育活動の展開。授業で大事にしたことは、「分からないといえる子どもたちをつくろう」「分からないという言葉から授業を作っていこう」ということ。

その後、参加者とともに意見交換を行いました。教員の異動があるなかで、いかにして目標を共有していくかという質問に対しては、異動してきた教員は最初は子どもたちの置かれた厳しい状況にショックを受けるけれども、教員同士のサポートを通じて考え方を変えていく、しかし自分の指導観を変えられない教員もいるのでそういう方は数年で再び異動していくという返答がありました。また、ケース会議の効果的な実施方法や、学校の目標設定とそれを地域も含めて共有していくことの重要性、学力向上とどう向き合うべきか、社会的自立をどう定義するか、なども話し合われました。最後の社会的自立に関して、あらかじめ定義するよりも教員どうしでともに考えていくようにしたこと、ただし基本的にはすべての子どもたちが他者とつながり合いながら、自分の幸せを作っていけること、自分の力で社会を変えていけるようになることではないか、という話が竹本さんからありました。

*すべての生徒を想う♡マーク

 

 第3回では、発達障害や不登校の子ども、日本語の習得に困難を抱える子どもたちを幼児期から就労期に至るまで多機関連携を通じて支援する発達支援システムを実現している滋賀県湖南市の教育長、松浦さんにお話をいただきました。要点は以下の通りです。

・湖南市は外国人の居住率が高い。学校によっては3割が外国につながりのある子である。また、特別支援学級利用者は全体の1割ほど、特別支援学校在籍者も含めると2割になる。こうした子たちが、連続性のある多様な学びの場と、地域のなかで育つことを重視してきた。

・特別支援教育について、学びの場の分断なのか、多様な学びの場があると捉えるかという議論はあるが、本市が重視してきたのは義務教育終了時点で自分の強みも弱みも理解したうえで、進路決定において自分の意思を表明できるようになっていること。

・不登校児童生徒の支援においては、学校内外の支援者が子どもの認知特性をつかみ、適切なアセスメントを行うこと、授業や学級の改善という視点を持つこと、将来の社会参加を見通した支援をすること、などを大切にしてきた。

・発達支援システムとは、ヨコの連携で言えば、教育委員会と就労や福祉、子ども・子育て系の部局との連携であり、さらに横断的人事配置として、教育委員会に社会福祉士を配置、健康福祉部の発達支援室長に特別支援教育を担当してきた教員経験者を配置するなどしている。

・タテの連携のツールが個別の指導計画。個別の指導計画の作成率が高く見えるが、これは子どもたちに自分自身の強み・弱みを分かったうえで高校や就労に繋がっていって欲しいと考えているから。中卒の段階では、本人も参加して「個別の指導移行計画」を作成している。

・高校への引き継ぎとしては、指導主事が高校訪問を行い、高校教員と顔の見える関係を築くようにしている。今年は68校に訪問。これをすることで、高校からの支援に関する相談も来る。

・発達支援室長が教員であることのメリット。乳幼児支援においては、幼保・子ども園における集団指導のあり方をアドバイスできる。また、室員とともに小中学校の頃から情報を把握しているので、高校生になってからの相談にも適切に応じられる。さらに、室長経験者がその後管理職として学校に戻ることで、発達支援の観点から学校経営を行うことができる。こうした循環が生じるように、室長の候補者を発達支援の経験者で「つなぐ」ことを続けていることが、湖南市の特徴である。

・日本語教室の利用率は小学校で6.5%、中学校で6.7%である。取り出しで指導をしているが、通常学級の授業でどう他の子どもたちとつないでいくかが重要である。そのため、日本語が不得意でも授業に参加しやすい特別活動を重視している。

 その後、意見交換を行いました。タテの連携の重要性とその難しさ、発達障害と日本語習得の不十分さとの見極めの難しさ、いかにして一般の教員も外国につながりのある子どもたちを受け入れられるような環境を作っていくか、などが参加者で共有されました。また、前回からつながる話題として、学校のあり方を包摂的にするうえで、教師主導と福祉主導のバランスをどう取っていくかということも検討されました。教師主導はともすると抱え込みが起こりがちである一方、福祉主導だと教師の主体性が発揮されにくい傾向があることについて、松浦さんのお答えでは、事前の目線合わせが大切であること、受け身のケース会議にならないようにすること、授業では困難を抱える子を中心に子どもたちのつながりを作っていくことを重視していることなどが話されました。

以上が第2回、第3回のワークショップの概要となります。第1回からの議論を通じて振り返ってみると、以下のことが多くの参加者・スピーカーの議論における「重なり合う合意」として浮かび上がってきたように思います。

①困難を抱える子を中心に、多様性を認め合いながら、いかにして相互作用の機会を保障し、支え合う教育活動を行なっていくか。みんなが幸せになるために、周りの環境・社会を変えていく力を育てられるか。そして、こうした目標の共有をどのようなプロセスで進めていくかが重要である。

②教師個々の力量形成だけでなく、教員同士が支え合い、協力を求めていく文化をいかにして作っていくかが重要である。言い換えれば、自分一人で仕事を進めるのではなくチームで責任を共有しながら仕事を進めようとするマインドセットが求められる。

③教育と福祉の連携については、いかにして教師のエンパワーメントを重視しながらSCやSSWとの役割分担を図っていくか、また多機関連携(教育行政と子育て・福祉・就労系部局との連携)においては、今困難を抱えている子のためのヨコの連携だけでなく、子どもの成長・発達に応じたタテの連携(情報連携と教職員・専門職・行政職員どうしの顔の見える関係)が重要である。

*「校長笑顔率世界一」の笑顔

TWG(テーマ別ワーキンググループ)2と6からのご報告です。

日本OECD共同研究では、本年度から、未来の先取り実践・実装である「プロジェクト無限大」「壁のないあそび場「座」をはじめ、様々な現場の取り組みから、未来の政策研究・政策提言につなげるための、テーマ別ワーキンググループ(TWG)を組成し、研究活動を強化しています。この一環で、TWG2と6の合同ワークショップ「緊急対応時に教師のマインドセットと教師のウェルビーイング」が開催されました。

下記、TWG2共同座長の三浦先生からのご報告となります。

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(1)TWG2共同座長の中村賢治さんから『みんなのルール』(対話のルール)の共有がありました。私たちは毎回、この若い世代も関わって作ったこのグラウンドルールを確認します。価値ある対話を生み出す土壌のような機能となっています。

(2)中村賢治さんからFG2Cチームが実施したウクライナのアナ先生との WS「What’s the teacher’s mindset?」の報告。戦時のウクライナにおいて安心・安全の場を作っているアナ先生の話を聞いた後、「学校の機能が止まったとき、教師としてどのようなマインドセットを持つことが大切か?」を教員志望のメンバーが話し合ったプロセスが、今回のWS開催に繋がりました。

(3)TWG2共同座長の宇野光範さんからは日本OECD共同研究内のそれぞれのTWG(テーマ別ワーキンググループ)が目指す方向性のうち、TWG2の全体像を共有いただきました。

(4)共同研究員(当時)の片貝英行さんからは、能登半島地震発災後1月から3月まで日本OECD共同研究主催で運営した『能登半島地震で被災した子どもの居場所づくり関係者会議』については報告されました。東日本大震災を契機に立ち上がったOECD東北スクールという原点を踏まえ、様々な形で被災地支援を行ってきたこと。そして、今回、子ども・保護者・学校・教員・NPO/NGO、国・県等の関係者の声を聴き、今必要なことは何かを集めて対応してきたことが報告されました。

(5)OECD田熊美保さんからは、マルチステークホルダーで教育に関わる議論を進めてきた(いる)こと、世界で起こっている様々な災害(自然災害、人災)下においては、教師の「マインドセット」や「ウェルビーイング」が大切だということが見えてきたことが伝えられました。今回のTWGでの様々な議論を元に、現在OECDが作成しているティーチングコンパスへの提言としてまとめる予定です。

(6)三村先生にEarthのこれまでと、蓄積されてきた知見についてお話いただきました。

その中からいくつかのポイントを抜粋して、紹介します。

震災・学校支援チーム(EARTH)とは?

・阪神淡路大震災時に受けた全国各地からの支援に報いるために結成され、災害発生時に要請に基づき、被災地の学校の教育復興を支援する教職員の組織。(兵庫県教育委員会が設置)

・EARTH運営委員会、EARTH事務局、5つの班「研究企画班」「心のケア班」「学校教育班」「学校給食班」「避難所運営班」という組織構成。

・兵庫県のカウンターパートは石川県珠洲市であった。

・三村さんは1月5日からEARTH先遣隊として派遣された。

・238名全員にTeamsアカウントが配布され、現地部隊と後方支援部隊に別れて連動して支援活動に当たることができた。

・最初から万全を備えていけるわけではなくて、その時に現地で必要なものをアップデートしながらチームで動くのがEARTH。

・被災した子ども達のつぶやきを拾って、先生方と共有していく。そして一緒にその先を考えていく。

・育成段階のEARTH員もいる。共に活動しながら、語り継いでいく。

・その地、その地のやり方に準ずるのがEARTHのあり方。

・災害時ヘルプを求める先は、平時において信頼のおける人。一番頼れる方に本音を言うという現状がある。

(7)TWG6共同座長の齋藤 玲さんから「Digtal D-EST」について

平時からいかにデジタルで教員・教育関係者が繋がりを作っておくことが重要かが見えてきたという観点から、平野敏校長先生のアイデアに着想を得た「Digtal D-EST」というネットワークのイメージの共有がありました。今回のWSの成果も踏まえて、実装のフェーズに入っていくことになります。

(8)その後小グループに別れて、「緊急時の教師のマインドセット」「緊急時の教師のウェルビーイング」という観点から、対話を重ねました。それぞれのグループの対話の中から生まれたキーワードが書かれたボードを紹介します。

「さんすう数学あそび座 in Summer」を開催しました!

8月25日に小学生(中学年・高学年)、中学生を対象としたイベントを開催しました。
企画・運営には様々な学校の高校生たちが関わってくれました。
当日は、約30名の子どもたちに加え、保護者のみなさん、東京学芸大学の院生、卒業生、現職の先生方もスタッフとしてご参加いただきました。

イベントは、小・中学生がその場でチームを組んで、いくつかの問題に挑戦しました。
はじめはあそび感覚で取り組みながらも、どんな工夫をすればよいだろう?どんな仕組みがあるだろう?と問いが生まれ、子どもたちだけでなく保護者も夢中になって解決しようとする姿が各チームで見られました。
イベントの様子や参加者やスタッフの声を載せたニュースレターを作成いたしました。
ぜひご覧ください。

TWG(テーマ別ワーキンググループ)3からのご報告とご案内です。

日本OECD共同研究では、本年度から、未来の先取り実践・実装である「プロジェクト無限大」「壁のないあそび場「座」」をはじめ、様々な現場の取り組みから、未来の政策研究・政策提言につなげるための、テーマ別ワーキンググループ(TWG)を組成し、研究活動を強化しています。この一環で、TWG3(学校(校長リーダーシップ、学校経営・運営、教育・福祉連携、外部共創))のワークショップが開催されました。

下記、後藤先生からのご報告となります。

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TWG3座長の後藤です。2024年8月28日、TWG3のワークショップ「困難をかかえた多様な子どもたちを包摂できる教育制度、学校の在り方、教員の働き方、教員のウェルビーイングとは①」を開催しました。今回のスピーカーは、宮城県の元中学校校長の玉野井ゆかりさん、大阪府の小学校教員の谷垣真実さんでした。参加者は、スピーカー2名のほか、教員の方が4名、事務局から3名、共同座長の柏木先生、そして私の合計11名でした。

最初に玉野井さんから、これまでの教職経験における不登校生徒との関わりや、校長の時に運営することになった校内教育支援センター(「学び支援教室」)に来る子どもたちとの関わりから学んだこと・感じたことを話して頂きました。要点は以下の通りです。

・「学び支援教室」(以下、「教室」とする)は不登校の傾向が続く子が学校に来た際に過ごすことのできる、在籍学級とは別の部屋。専任の教員が配置されている。

・「教室」では、他の生徒や教員と話をすることが一番の目標とされていた。そのため、ボードゲームをおいておいて常にゲームをできるような環境を整えながら、子どもたちが自分のペースで学習を進められるようにしていた。

・居心地のよい場所になるよう、校長として午前・午後とも訪問するようにしていた。在籍学級の担任にも訪問するよう勧めていたが、乗り気でない教員もいた。

・登下校時には他の生徒と合わないように急いで帰る子もいたりするのを見ると、「教室」が居心地のよい場所になっても、学校全体は居心地のよい場所ではなかったのかもしれない、と感じた。

・不登校だった子が卒業すると、通信制高校に通う子がほとんどである。卒業後に遊びに来てくれると、明るくなっている。その変化を見ると、今の学校システムはそうした子どもたちにとっては「イケてない」場所なのかもしれない。

・「教室」での支援に乗り気でない教員の背後にあるのは、形式的平等主義のマインドなのではないか。

 次に、谷垣真実さんから貧困や虐待などの状況にある子どもたちが多く通っていた学校での、「こども支援コーディネーター」(以下、「コーディネーター」とする)としての経験を中心にお話をうかがいました。要点は以下の通りです。

・コーディネーターは、子どもの貧困や虐待の事案が生じたときだけでなく日常的に家庭や地域、警察などと連携しながら学校内で中心となって動く加配教員である。

・貧困家庭の多い学校に赴任直後は、何から手を付けていいか分からなかった。しかし、教員同士は協力的で、子どもたちには母親・父親のように接していた。

・子どもたちのSOSは、最初は外部からの通告で発覚することが多かったが、しだいに教師からの報告が多くなり、子ども自身から発せられるようになってきた。声を上げられるように学校全体で取り組んできた成果といえる。

・教員は、なんでも学校だけで完結しようとしがちである。

・コーディネーターは、学校外の様々な機関の人と関係を作っておくことが重要。

・コーディネーターがいることで、役割分担が明確になる。担任が抱え込む必要もなくなる。担任は虐待等の事案が生じたときに家庭との関係維持を想定してうまく対応することができなくなる。今は、別の学校で担任をしており、それを実感する。

・コーディネーターとしての働きも、それを遂行する資質だけでなく、コーディネーターを活かす組織があったからこそだと感じる。

その後、参加者とともに意見交換を行いました。困難を抱える子の多い学校では教員どうしでケアしあう関係性が重要であること、教員間で協力的な関係を築くためにケース会議などを活用すべきこと、ただし、単に情報を共有して終わるのではなく、役割分担して対応を進めていく場であることを見失ってはいけない、といったことが話し合われました。このほか、「同じペースで学ぶこと」を前提とする学校のあり方をどう捉えればよいか、外国につながる子が多い子どもの受け入れは専門性が高いため研修の機会が重要、などの意見も出されました。

 今回の参加者の意見を集約すると、ベースラインが確保されていない子どもたち(貧困・虐待など)にとっては、従来型の学校の良い部分(多様な子どもたちが相互作用しあい学び合う場としての学校・学級)を享受できるように努力すること、しかし、それ以外の理由で不登校になっている子たちの状況を見ると、より柔軟な学校のあり方を探っていくことが求められているようです。ただし、この点は教育の社会的意義と内実にもとづくより精緻な議論が必要になると考えます。「従来型の学校の良さ」と「柔軟な学校のあり方」の境目をどう見極め、学校のあり方や教職員の体制を考えていくかを次回以降の検討課題として行きたいと思います。

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今後のTWG3のワークショップの予定は以下の通りです。

ご参加の皆様は、下記からお申し込みください。多くの皆様のご参加をお待ちしています!

https://forms.gle/e2Q7aQ6GvGrENuXv6

テーマ「困難をかかえた多様な子どもたちを包摂できる教育制度、学校の在り方、教員の働き方、教員のウェルビーイングとは」

TWG3:第2回 9/6(金) 16:30~18:00

 スピーカー①:岸本琴恵氏(スクールカウンセラーの立場から、学校が多職種・多機関連携を進めるうえで留意すべき点について発信されてきました。)

 スピーカー②:竹本茂氏(元校長。「子どもの最善の利益」を中心とした校種間連携や、多様性・相互承認を重視した学校運営に取り組んでこられました。)

TWG3:第3回 9/9(月)17:00~18:30

 スピーカー:松浦加代子氏(滋賀県湖南市教育長。様々な困難を抱える子どもたちを幼児期から成人期に至るまで支援する「発達支援システム」を確立・運用されてきました。)

「こども・若者の居場所づくり座」からのご報告です。

こんにちは。「こども・若者の居場所づくり座」座長のくまちゃんです!

8月27日(月曜日)第3回目となるミーティングを開催いたしましたので、ご報告いたします。

今回は、こどもたちとの実践を持たれる皆さんが集い、個々の実践を通して、

こどもや若者と向き合うなかで大切になることを話し合いました。

メンバー間の実践を通し、新しい価値観や考え方、それぞれのノウハウなどを共有する時間となりました。

Doタンクとして、どういった取り組みができるか、ということが重要な一方で

この座での対話こそが多職種の集まりとなっており、新しい連携や考えの融合が生まれている印象を持ちます。

本日は、前回の会議からでた意見を参考に論点を絞り、

①校内フリースクールについての運営方法や連携について

②日常場面における児童・生徒の主体性の尊重

③横断的な学びの機会の確保

④教育と福祉の連携

⑤「遊び」や「役割」を通じた居場所感の確保

を具体的なテーマとして意見交換しました。

なかでも、こども・若者の日常場面での主体性を確保するにあたっては、

日頃のスタッフや教員のリフレクションが非常に重要であるという視点や

民間と教育機関での情報共有の難しさ、困難に直面するこども・若者への段階的支援の在り方などについて

具体的な実践例から考えを深めていきました。

一方で、学校と居場所の役割がそれぞれ異なる中で、学校としてこどもたちと繋がり続ける方法と

居場所として、それぞれ繋がり続ける方法には、お互いの専門性がみられる、といった話にもなり、

こどもや若者へ1対1あるいは、集団として関わる際、どういった視点でかかわり、大人の反応として、

どういった反応をしていくことが有効であるか、その実践知についても言語化していく必要性を共有したところでも

ありました。

今後、研修の企画なども含めながら、「こども・若者の居場所づくり座」としても、

それぞれのこども・若者に関わる実践者の実践知が集まり、検討し、また実践に繋げる場として

福祉や教育の連携の視点も含めながら、新しい価値づくりに取り組んでいきたいと思っております。

【小津中学校】生徒主体の学校づくりを経験した生徒3名のスピーチが「中学生の主張大会」で入賞

大阪府の泉大津市立小津中学校のダッチ先生から嬉しいご報告が届きました!ぜひお読みください!

プロジェクト∞無限大で「学校のコンパス」づくりや「共創プロジェクト」などの取り組みを進めてきた小津中学校。こうした取組みを中心となって進めているコンパスデザイナーのHANAKO・HINATA・KAHOの3名が大阪で行われた「中学生の主張大阪府大会 伝えよう!君のメッセージ」に挑戦しました。

応募は、校内の張り紙をみた彼女たちがこれまでの取組みを伝えたい!と自ら希望して提出したものです!
この大会は大阪府下の大部分の学校が参加する大会で、各校3名まで応募でき、今年度は総勢1479名が応募。
なんと、その上位10名の決勝進出者に3名とも選ばれていたのでした!

HANAKOのスピーチのタイトルは「『当たり前』を疑う」。自身が生徒主体で校則見直しに取り組む中で「当たり前」と思っていことについて自身が大きく変容した体験をスピーチしました。

HINATAのスピーチのタイトルは「私が撮りたい写真」。「好き」や「遊び」こそが、本当の「学び」となることを自分自身が中学校で体験したことをベースに主張しました。

KAHOのスピーチのタイトルは「踏み出すことで手にした自芯」。小津中の学校のコンパスも第一の目標でもある「自芯」をテーマに、「一歩踏み出す勇気」の大切さをスピーチしました。

3人ともがそれぞれの個性を発揮して会場がどよめくような感動的なスピーチをしてくれました。

そして、なんと。
HANAKOが最優秀賞に相当する「大阪府知事賞」を獲得。
HINATAが2位に相当する「大阪教育委員会賞」を獲得。
KAHOが4位に相当する「国際ソロプチミスト大阪賞」を獲得。
申し訳ないくらい、上位を独占してしまっています。
(HANAKOは全国大会の選考に進出します!)

今年、生徒たちはよく「コンパスデザイナーなど様々なプロジェクトを自分たちの手で進めてきた経験などで「言葉の力」や表現力を高めてきた」と話していたし、教員としてもその成長を強く感じていたところですが、その成長が多くの人の目にとまり高く評価されたことはとても素敵なことだと思います。

従来型の学校体制や授業ではない、生徒主体の学校づくりやプロジェクトを進める経験的な学びの豊かさを改めて実感・証明する結果です!Congratulations!

プロジェクト∞無限大:第2回生徒対話会@群馬

群馬県高崎市立並榎中学校の教員こばです。

8月22日(木)本校の生徒と、プロジェクト∞無限大の生徒部会で活躍しているたみさんで第2回対話会を行いました。

8月18日(日)~21日(水)まで、こば、たみ、並中生3人で、OECD能登サマースクールに参加していたので、能登サマースクール報告会兼伊勢崎高校、スコットランドフレーザーバラアカデミーさんとの国際共創の準備会という位置づけで行いました。

私(こば)は、東北スクールOBの高橋翔さんの東日本大震災と比較した輪島市の大変なところの話が印象に残っていて、並榎中学校の生徒にも伝えました。

国立能登青少年交流の家でも東北スクールOBOGの話を聞きましたが、体験の伝承は心がふるえます。

生徒達は、年齢、立場の壁を超えて対話したことが印象に残っていたようです。

準備会は学校のウェルビーイングのために、私たちができることについて、主に先生と生徒関係、生徒と生徒の関係をよりよくする手立てを考え、対話しました。

①今日の課題の共有(こば)

②対話のルールの確認(たみ)

③対話(みんな)

能登スクール組の成長(自分を解き放っている感じ、考えの自由度)を感じるとともに、残留組がそれにつられて、いい感じで対話できました。

④まとめ

国際共創のための準備ができました(水色とピンクの紙に付箋紙を貼って)。

※並榎中学校ではラーニングコンパス、太陽モデル、対話のルールを掲示させてもらっています。

在外教育使節ネットワーキング座「夏のワークショップ」報告

7月28日(日)に在外教育使節ネットワーキング座プレゼンツ「夏のワークショップ」を東京で行いました。普段は世界各国の教壇で日本人、日本にルーツのある子どもたちを指導している先生方が、夏休み日本へ帰省するタイミングに合わせての対面開催です。参加メンバーはアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、トルコ、日本、校種は現地の大学や高校、日本人学校、補習校と、まさに在外教育施設ならでは多様な方に集まっていただきました。日本からは高校生と大学院生、ドイツからも高校生と研究者の方にご参加いただきました。

前半はゆっくりと自己紹介、途中のお菓子タイムでは、世界各国のお菓子を持ち寄り親睦を深め、後半では自分が聞きたいことを付箋に書き、それを皆で共有しました。

・現地校と日本(語補習校)の教育の違いにどう対応するか。

・日本語も英語もどちらもできなくて困っている生徒の手立て。

・外国ルーツの生徒に日本の文化・歴史をどう教えていくか。 など

国や校種が違えば指導の仕方も違い、自身の勤務校の状況を交え活発な意見交換がなされました。また、高校生の実体験に即した生の意見も聞くことができました。

その後はお楽しみの夕食会。日本の料理に舌鼓を打ちながら、それぞれの話に耳を傾ける。ゆったりとリラックスした空間で楽しく飲むことができました。

アンケートでは

・これまで補習校の先生方と話をする機会がほとんどなかったのでよかった。

・長年在外教育に関わる方々の話が聞けてよかった。

・後半の話は、学びの本質の話だったように感じた。

・現場でがんばっている先生方と話して元気が出た。

・来年も参加したい。

という嬉しい声をいただきました。

外国では9月より新年度になる国が多いです。引き続き日本で、バカンス先で英気を養いつつ、また9月からそれぞれの国で頑張りましょう!

能登スクールだより

こんにちは、事務局のAiです。

この度の「OECD能登スクールプロジェクト」では、「国立能登青少年交流の家」に宿泊をさせて頂きました。

国立能登青少年交流の家のスタッフさん達は、皆様いつも明るく、お忙しい中でも私達のプロジェクトをたくさんサポートして下さいました!

そんな国立能登青少年交流の家のH.P.でも私達の活動を取り上げて下さいましたので、ぜひ皆様にそちらもご覧頂けると嬉しいです。

https://noto.niye.go.jp/noto-news/57985

国立能登青少年交流の家で、輪島高校の生徒さん&石川県外からの参加者みんなでバルーンドームの作成をしたときの写真です。

このバルーンドームは中にも入れるんです!